幸福王国ブータン旅行記②国王と遭遇

いろいろでようやくたどり着いたその幸せの国の第一印象といえば、正直、期待はずれだった。車から見えてくる風景が何せ山、谷、川、山、谷、川…高層ビルに囲まれた大都会に住む人ならこの自然を見るだけでも気持ちが癒されるかもしれない。しかしながら、私の故郷は、古くから木の国ともいわれる紀州・和歌山県。「わざわざブータンまで来なくても、このくらいの景色なら普段でも見ることができるぞ?」ヒマラヤ奥地の秘境を訪れ、非日常の体験ができることを楽しみにしていた私にとって、この日常の延長にしか見えない風景に、旅先が思いやられたのだ。ちなみに、ブータンの国土面積は和歌山県の約8倍(九州と同じくらい)、森林面積率は約72%(和歌山県は約76%)、人口は約77万人(和歌山県は約100万人)。近しい風景を想像していただけるのではないかと思う。しかし、この第一印象は、その後、いい意味で覆されていった。この国の自然や人に触れ合っていくうちに、その見方が変わっていった。

私たちの旅程は、ホテル(アマンコラ)を拠点に、空港のあるパロと首都ティンプー間を移動しながらのものであった。主には、歴史的建築物や古刹、学校、役所、国産の織物工場、紙漉き工場、農家などを巡るものだった。

アマンコラにて

首都ティンプーにあるアマンコラに到着し、一休みした私たち。
アマンの若いスタッフ陣が、フレッシュな笑顔で私たちを受け入れてくださいます。
ブータンでは、初めて会う客人に、その前途の幸運を祈って「カタ」といわれる白い布をプレゼントするそうです。
私たちがかけている席から離れた奥のほうに、白いテーブルクロスでゴージャスに演出されている席がありました。

「おお、特別なおもてなしか何か演出でもあるのかな?」

と思い、じっとその席を見つめていると、

「今から、国王がお見えになるようです。」

と、通訳のtashiさんから伝達が。

何?国王?

そう、この写真の奥にある白いクロスのテーブルは、国王とそのお客様のために用意されているお席だったのです。

「運がよければ国王に会えるかもね。」

なんてことを、半ば冗談話のように妻と飛行機の中で話していたのですが、アマン到着後、数分で、そのチャンス到来したのです。

私は次の瞬間、

「おお、これはツイてる!会いたい!会わせて!」

と志願。

一瞬、スタッフに、「それは難しいかも・・・?」と言う顔をされましたが、

「今から少し後、国王がお客様とお食事なさいます。そのときに、チャンスを見計らってお会いいただいてもいいですよ。」

と。

一度、自分たちの部屋に戻って、身支度を整えて、アマンコラのレストラン内へ行くことになりました。さて、一旦お部屋。

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ブータンのアマンなので、他のアマンとまた趣向が違うそうですが、自然木(マツ)で造られた部屋が、そのマツの香りと、レモングラスの香りがうっすら漂い、シンプルな居住まいの中に、豪華さを感じさせられます。広すぎて、お部屋の全体を写せなかったのですが、ワンルームに、広々と、ベッド、バス、シャワールーム、洗面台(×2)があり、トイレがセパレートしてあるという感じです。自然素材の空間で、間取りはゆったり、モノも必要最小限しか置かれていません。

そして、床にはカラーライスで専門のアーティストが描いたいわゆる幸運を祈る仏教イラストのようなものが。ひとつひとつが粋な演出、さすがアマン。

と、しばし、部屋にてアマンの雰囲気を堪能した後、レストランへ。そうすると、アマン内は、国王のSPで物々しい様子に変わっています。数十人のSPがいたのでしょうか。トイレなどにもSPがいて、世界一居心地のいいリゾートホテル・アマンのはずが物騒な感じでちょっと居心地の悪い?アマンに(笑)しかし、さすが倖せの国ブータン、SPの人も、眼が合うとスマイルサービスしてくれました。私たちは国王たちが来るより一足先にレストランに入り昼食。

とてもおいしかったのですが、国王が来るという胸の高鳴りと幸福の国を訪れた幸福感でさほど空腹感がなくなってしまっていました(笑)

しばらくすると妻が、国王が来たことを、私より先に察知し、私に教えてくれました。

入り口から、テレビでよく見るあの国王が・・・

次の瞬間、

「How are you」

と、国王のほうから笑顔で挨拶まで。わお、まさか国王に会えるだけでなく、あいさつまでしてくれるとは。とっさでしたが、カンタンな挨拶を交わすこともできました。しあわせの国ブータンにいけるだけでも倖せなのに、いきなり国王に会えてしまうさらなる幸先のよさに、我々は、感動したのはいうまでもありません。実際、人口70万人のブータンでは国民が国王に会えることは、私たちが天皇陛下に会うことを思えばそれよりは身近なものではあるそうですが、それでも、私たちの付き添い通訳のtashiは11年間の中で、(国王とご一緒できる可能性の高い海外の方々と交流する仕事をしながら)国王と会えたのは2回だけ。その3回目にあなたたちがいて、あなたたちははじめてブータンに来ていきなり国王と会えてしまったのだからそれはとてもラッキーなことです、と言っていました。今、ブータンは話題ですから、芸能リポーターたちが国王に会えるかもと言って、ブータンのさまざまなところに行くものの、ことごとく会えないこともあるようなので、やはり、ラッキーなことなのでしょう。

その後、国王はインドの国賓となにやら打ち合わせを始められたようです。

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