超一流ホテルからオファーがくるみかん農家「谷井農園」の掃除

先日、関西テレビ「ウラマヨ」という番組(お笑いタレント・ブラックマヨネーズさんの冠番組)にて、「超」がつく一流ホテルからジュースのオファーが来るという谷井農園(和歌山県・湯浅)さんが紹介されました。

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以前、当メルマガ(当記事は、村上の執筆する<ほぼ一日一話>幸せ体質になる小さな習慣からの引用・編集)でも、そのことに触れたことがあるかもしれませんが、今回番組にも出演されている谷井農園代表・谷井康人さんとは、掃除大賞(一般財団法人日本そうじ協会)にて、同郷での掃除道の同志として私がプレゼンテーションのお手伝いをさせていただいたことがあり、そこからご縁ができました。※谷井農園さんは掃除大賞2015で農林水産大臣賞、掃除大賞2016で大賞をそれぞれ受賞されております。

このときの取材に始まり、幾度と谷井農園さんに足を運ぶ中、清掃が徹底され、まるで神域のように澄んだ空気感の工場・オフィスと谷井氏の独自の感性に触れ、私も毎回新鮮な刺激を受けさせていただいております。

ブラマヨさんがバラエティという領域から、谷井農園の取り組みと谷井代表の日々の実践のコアな魅力を引き出しつつも、笑いをはさみながら楽しめる内容で、読者の方にとっても参考になるのではないかと感じたので、リンクをご紹介させていただきます。(無料配信期間2018/01/27 14:00:00 ~ 2018/02/03 12:00:00 だそうなので、お早めに。。。期限が過ぎても、この記事自体は残しておくことにします。)

「ウラマヨ」http://ktv-smart.jp/pc/movie/index.php?key=42881

世界のリゾートホテルの頂点と名高いAMAN(アマン東京)をはじめ、超一流ホテルからオファーが来てシェフを唸らせているというジュース。市場では10円/kgにしか価格がつかないみかんでも、谷井農園マジックにかかると1,000円/180mlと550倍以上の高付加価値に換わるんですから、すごいの一言です。また、20年以上前から市場での販売を止め、個人顧客に特化した高級ジュースの通販にシフトし、現在、毎月10,000人以上のお客様が購入されているとのこと。市場の相場観任せの価格で自分たちの納得のいく報酬が得られない状態から脱却したい、6次産業化を図りたいという農家の方にも、経営のヒントがあるのではないでしょうか。

アマンリゾートについては私自身が以前ブータンのアマンコラ(amankora)に宿泊したことがあり、そのスケール感とホスピタリティー、演出に触れ、その世界観にすっかりハマってしまって、今では寝床にはアマンのフォトブックを置いてあり、それを寝がけに眺めていることがあります。いいイメージトレーニングになるんですよね。。。そういう背景もあり、アマンからオファーが来る農家が和歌山にあるということを聞いたときは、それだけで当初とても驚いたのを覚えています。先のこの体験があったからこそ点と点がつながるようになりましたが、掃除大賞における谷井農園さんのプレゼンテーションにもまるで自分ごとにように感情移入ができた気がします。

ちなみに今、日本には東京(Aman東京)、伊勢(Amanemu)とアマンが2箇所あり、そちらも2015、2016年と視察と銘打って宿泊して実際に客体験をしてまいりました。(写真はそのとき撮影したものです)「いい旅は人生を変え、いいホテルは仕事と会社を変える」がありますが、私の場合、仕事柄もあるかもしれませんが、客体験即仕入れという感覚があるので、日頃から日常の生活圏を離れて新しい視点を得る機会を作ることも大切な仕事のひとつだと思って公私混同させてもらいました。

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谷井農園さんの詳細については、上記「ウラマヨ」のバックナンバーそれから、掃除大賞後に出版された書籍「奇跡のみかん農園-けっして妥協しない零細農家のすごい仕事の話-谷井康人」などからも概要なら掴んでいただけるのではないかと思いますのでここでは割愛し、私からは普段、谷井さんとお会いしてお話することで垣間見ている、彼を突き動かす「原動力」みたいなところについて、勝手に感じていることをお話ししたいと思います。

今、農家もさることながら、日本全体の事業者も、高付加価値化は根本的な経営課題になっているのではないでしょうか?

昨今、政府が進めている長時間労働の是正をはじめとする「働き方改革」も、いくら法整備が整っていったとしても、それだけでは何も生まれませんね。法整備は必要なことではあるもののあくまで第二義的なこと。やはり、第一義は生産者の付加価値創造力の向上にかかっているし、そのためには働く人の能力の発揮を最大化することです。だからこそ、人体の生理能力を超え仕事のパフォーマンスを下げる要因となりうるような事はやめる必要があるのです。そのためには、整理・整頓など基本的なことはもちろん、間接業務など非付加価値業務を必要最小限にしたり、最新のコンピュータ技術を導入しながら業務の効率化できるところはするなどして、「時間あたりの労働生産性の向上」を図らなければならないのです。前面に打ち出されている長時間労働の是正も、あくまで時間当たりの労働生産性を高めるための手段のひとつであり、目的そのものではありません(※日本の「時間あたりの労働生産性」は、先進国で20年以上最下位。高水準の北欧諸国などと比較すると2倍近く開きがあります)

少子高齢化で労働人口が減少する今、③の一人当たり労働時間を増やすことは物理的にも限界があり、自ずと①の付加価値率を高めること、もしくは、②の1時間あたりの売上高を上げることが必須となる。

さて昨年、とりわけ物流業界で露呈化した人手不足の問題ですが、今後は益々少子高齢化で益々拍車がかかり、これまで実感のなかった事業者でも、その深刻さを肌で感じることになるでしょう。こうなるともはや、一人当たりの労働時間を増やして生産力を上げるという発想でやっていくことは、物理的にも破綻していると言っても過言ではありません。だからこそ、総労働時間は減らし、付加価値率を上げるということからは逃れられない現実なのです。また同時に、価格競争に陥らない独自のポジションを築き、高付加価値化経営にシフトすることは、単にできたらいいなといったwantの範疇の話ではなく、もはや手を打たなければ生き残れないというmustの課題であり、事業者にとっては死活問題が背景にあることは言うまでもありません。(これからの近い将来を見据えると、谷井農園さんの180mlあたり1,000円の高級ジュースは、他と比べて高いのではなく、考え方次第では極めて自然で合理的な売価にも感じますが、いかがでしょうか。)

谷井農園さんの「最高級のジュースづくり」へのこだわりの中に、事業者がこれらの課題を考える上でも、働く一個人にとっても、新しいパラダイムをもたらしてくれるようなエッセンスがたくさんあるのではないかと思います。

谷井康人氏がいつも子供のようなキラキラした目でいつも語るのは、「超一流ホテルのシェフをうならせたい」だからこそ、目指すジュースの基準は「最高級のみ」、そしてとてもシンプルなポリシー「体にいいもの(添加物などを使わない、搾りたてのもの)」に立脚したものです。

番組でも紹介されましたが、その基準を満たすジュースをつくるために、素材の自然な味を最大限引き出すために妥協しないみかんの栽培・加工方法に始まり、キープホワイトで小さな汚れが誰にでもすぐに発見できる工場があり、早朝の伊勢神宮の空気感・最先端ITを導入した合理性を追求したアップルストア・高級リゾートホテルのロビー・高級寿司屋のカウンターをそれぞれベンチマークしたというオフィスがあり、毎朝、明朝には職場に行って拭き掃除をして場を清める彼の仕事へ向き合う姿勢があるのでしょう。

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これらは、一見、ぶっ飛んでいて真似できなさそうな実践ですが、よくよくこれらのひとつひとつの根幹をたどると、朝早く起きること、掃除をすること、続けることと、メルマガでも折に触れるような、単純明快なことばかりです。どこか違いががあるとしたら、それは誰もができるようなシンプルなことを、誰もができないくらいに妥協せずにやり続けることで、その結果として最高級のジュースが生まれている、しいては、競合が絶対真似ができないようなブルー・オーシャンの開拓につながっているという捉え方が適切なのかもしれません。

谷井農園さんの掃除の実践を間近で見ることができた私も参考にさせてもらい、杉板のオフィスの床を、塩で清めた水で雑巾掛けするようになりました。(やった本人にしか気づかない世界なのかもしれませんが、やはり、空気感が違います。)

一実践者としての彼が自分の言葉で語るのを見ていて感じるのは、「谷井さんは、自分のいいと感じたことにとことん素直な人なんだな」ということです。やもすると心のかすかな声を自らかき消して無に帰してしまったり、分かっていてもなんだかんだ言い訳をつくってやらずじまいになりがちなことでも、谷井氏の場合は感じ取って活かしているのでしょう。

実践されているのを見て私自身も、「自分がやってきたことなんてまだまだ。もっとやれることは足元にいっぱいある」と感じさせられることがしばしばあるのと同時に、逆に「あ、これがよかったのか。」と、シンプルなことほど価値があるということへの新たな確信にもなります。

手前味噌ながら、経営コンサルタントとして独立して10年以上になる私ですが、10年ともなると否でも様々な事業者の推移を間近に見ることになります。事業が持続的に成長・飛躍していくところは、一言で言うと、むやみな拡大路線などで外に向けてエネルギーを分散させるのではなく、いやむしろ、サイズは小さくても自分たちの内なるコア・アイデンティティーにとことん忠実であったところかな、と感じています。

多様なニーズに応えながら高付加価値化にシフトすることが急務のこれからの日本の事業者、そして働く人一人一人にとっても、この部分を再確認することは、私に限らずとても大切なことではないでしょうか。

先日、ガンジーと仏教経済学のE.F.シューマッハの思想を受け継いだオルタナティブ教育の先駆けでもある英「シューマッハ・スクール」の創設者、サティシュ・クマールさんにお会いする機会があり、そのときに「Intimate,Ultimate」という言葉を聴きました。(英語の解釈はいろいろとありますが、ここでは「自分を信頼することが、すべて、つまり、究極につながっていく」という捉え方をしています)

自分自身の内なる声にIntimateになること、つまり、自己を信頼し、愛すること、絶対性を追求することは、結局Ultimate、世のため人のため、と究極の実現へとつながっていく。また同時に、シンプルなことをUltimateに取り組んでいく中に、自分の中の新しいIntimateを再発見できる。

この番組紹介で、あなたが「何か」を感じ取ってくださったのなら幸いです。(閲覧期限が過ぎた方はすみません)

気づき

・シンプルなことほど価値がある

・コア・アイデンティティーにとことん忠実である

・自分にIntimateか?それは同時にUltimateか?

リンク紹介

ウラマヨバックナンバー(無料配信期間2018/01/27 14:00:00 ~ 2018/02/03 12:00:00)

谷井農園ショッピングサイト

・書籍「奇跡のみかん農園けっして妥協しない零細農家のすごい仕事の話谷井康人

掃除大賞2018(一般財団法人日本そうじ協会)

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